団塊世代の退職とともに心配されているのが、これらの人たちの
「居場所の不足」。あなたが「居場所」を確保するためには、
夫婦間で充分話し合い、お互いの考えのすり合わせをして
おくことが必要になります。
老いに備える
元気なうちは簡単だったことも身体が衰えてくると、だんだんと難しくなってきます。高齢期になっても安心して住み続けられるように、自分たちの生活に合わせて家をリフォームすることが大切です。バリアフリーリフォームは、元気な時にやってこそ意味があります。
健康なときから安全なバリアフリー住宅の家に暮らすことは、快適であると同時に老いを遠ざけることになります。また、もしもその時が訪れたとしても費用も工事の手間も最小限に抑えることができます。
「でも年を取ったときの状態なんか、その時にならないとわからない。今から考えろといわれても実感がわかない」多くの人が同じような考えでないかと思います。
これまでは、病気や障害が起きてから仕方なく住宅改修するのが一般的でした。でも怪我をしてからは遅いのです。高齢での怪我は治りが遅く、入院することもありますが、寝込んでしまって動かないと足腰が途端に弱ってしまい、老いの速度を速めてしまいます。
怪我や傷害を抱えてから住まいを考えるのではなく、怪我をしない住まいを造ることが大事なのです。身体の老い(変化)にあらかじめ備え、事故を未然に防ぐというのがバリアフリーリフォームの本質なのです。
身体の変化に合わせて自宅で長く住み続けるためには、まず元気なうちに家全体のバリアフリーリフォームを済ませ、何かあった時に最小限の改修で対応できるようにしておく。次に病気や怪我で身体に不自由が出てきた時、その状態に合わせて必要な箇所のみを改修するという二つのステップが欠かせません。
たとえば、健康なうちから手すりを付けてしまうのではなく、いつでも付けられるように廊下の幅を広げたり、壁を補強しておくということです。これで手すりを付ける工事の八割方は済んだことになり、あとは必要になった時身体の状態に合った形の手すりを選んで取り付けるだけです。
リフォームではこの八割方の部分こそが重要で、そこがしっかり出来ていれば、残りは介護用具などを利用することでかなりの部分が解決できます。まさかの時に自分がどういう状態になっているのかは、誰にも予測できませんが、あらかじめ準備しておくことで身体がどんな状態になっても「早く」、「安く」、「簡単に」対応できるわけです。
バリアフリーリフォームが八割方なされた住まいは、まだ健康や身体に問題のない方にとっても快適で安全です。それは老いの訪れる速度を遅くすることにもつながり、またいつ何があっても大丈夫という安心感を持つことができます。