団塊世代の退職とともに心配されているのが、これらの人たちの
「居場所の不足」。あなたが「居場所」を確保するためには、
夫婦間で充分話し合い、お互いの考えのすり合わせをして
おくことが必要になります。
2007 五十代は、家を見直す最後のチャンス
「定年までまだ間があるから、そのうち考えるよ」と思っているあなた。自分は健康だと思っていても、「いままでとなにかが違う」と身体の変化や体力の衰えなど老いを実感することも多くなってきます。
また、年金生活が始まれば収入は少なくなりますから、手元資金に余裕のあるうちに、出来ることはやっておくことが、定年後の新しい人生を順調に船出させることにもつながります。
定年前のリフォームは、その先の人生を自分らしく生きるために「家」との関係を見直す大きなチャンスとなります。これまでは、家のことは何でも妻まかせだったかもしれません。でもこれからは、あなたが積極的に関わることで、我が家に自分の「居場所」を確保することができるのです。
「家」は関わり方次第で、寝るだけの場所にもなれば、自分のやりたいことが実現できる最高の「居場所」にもなります。「家」で「誰」と「どんな」暮らしをしていくのかを考えることは、自分の新しい人生プランを立てるということでもあります。
妻との関係の見直し
定年後の「居場所」を確保するためには、これからどうやって生きていきたいか、あなた自身に具体的な考えやイメージが必要ですが、特に考えなければならないのは、妻との関係の整理です。
あなたがこれまで会社や仕事に費やしたのと同じ時間を、妻は家事や子供の世話をしながら家で過ごしてきています。家中が妻の城となるのは自然の流れなのです。その妻の城に自分の居場所を作るには、妻がこれからどう生きたいと思っているのかを知ることが必要です。
ここで、二つのアンケート調査結果を紹介します。
「定年後、誰と暮らしたいか」についての意識調査(「定年後の住生活に関するアンケート」住文化研究協議会2002年)によると、男性の80%以上は「配偶者」となっていますが、女性では65%です。そして、22%の女性がひとり暮らしを希望しています。
また、団塊世代を対象に行われたアンケート(「生活レシピ2004『団塊』の行方」東京ガス生活研究所2003年)では、定年後男性が大切にしたいことで女性より際立っていたのは、
- 配偶者と暮らす
- 健康のためスポーツをする
- 収入を伴う仕事をする
- 自分の子供の援助をする
- 子孫と暮らす
- 地域活動を行いたい
特に、94.9%の男性が「配偶者と暮らす」と回答しています。それに対して女性が大切にしたいことで目立ったのは、
- 家事の省力化
- ものを少なくしてすっきり暮らす
- 頻繁に外出する
となっています。男性が望む「配偶者と暮らす」は、女性では85.3%と約10ポイント下がっています。二つのアンケート結果からは、定年後誰と暮らすかについて夫婦間の考え、意識の違いが鮮明になっています。