団塊世代の退職とともに心配されているのが、これらの人たちの
「居場所の不足」。あなたが「居場所」を確保するためには、
夫婦間で充分話し合い、お互いの考えのすり合わせをして
おくことが必要になります。
リフォームを考える
「団塊世代の意識と行動」(日本経済新聞社 2003年)という調査報告書の中に、興味深いデータがあります。
「定年後、お金を掛けたいこと」として、一位の「国内旅行」54%についで多かったのが、「住宅の改装」30.1%です。住まいを何とかしなければと考えている人がこの世代の三人に一人いるということになります。
また、住まいのリフォームに関するアンケート調査(マイボイスコム株式会社 2003年)によると、女性がリフォームしたい場所の一位が「キッチン」、次いで「内装」、「窓・ドア・雨戸」の順となります。
やはり、妻にとって「キッチン」は特別の思い入れを持つ重点ゾーンなのです。
一方、男性は「間取りの変更」を希望する人が多いのが特徴です。
自分の居場所を確保しなければならないと感じている男性が多いことがうかがえます。消費体験が豊富で目が肥えた団塊世代は、機能だけでなく、居心地の良さを求める傾向も強くなっています。
夫婦それぞれの「理想の暮し方」の折り合うところを見つけて、プランに組み込んでいけば、リフォームによって新築時以上に住み心地をよくすることができます。次に、場所別のプランづくりのポイントを見てみましょう。
浴室
お風呂は一日の汗や汚れを洗い流して清潔にするだけでなく、心身の疲れを癒してりフレッツシュできる場所です。長年住んで傷みが出てきた住まいのリフォームを考えている方は、併せて浴室のリニューアルを検討することが多くなっています。
在来工法とユニットバスの特徴
浴室には、「在来工法」と「ユニットバス」の二つのタイプがあります。
「在来工法」は、左官屋さんが浴室の大きさに合わせて造ります。「ユニットバス」は、床・壁・天井・浴槽など工場で生産した部材を現場で組み立てる浴室です。
「在来工法」は、浴室の大きさにあわせて造りますので、その大きさや材料を自由に選ぶことができます。
ただ工期が2週間ほどかかるため、その分費用も高くなります。また、タイルの下の防水処理が老朽化すると水漏れが起きることがありますから、タイルや目地のメンテナンスが必要になります。
「ユニットバス」は、各部材を現場で組み立て、工期も4~5日程度で終わることから費用も比較的安く、断熱性、防水性にすぐれています。ただ、工場生産のため規格のサイズがあり、サイズがあわないと設置できない、余分のスペースが残ってしまうということもありますので、自宅の浴室の大きさに合わせて選ぶことが大切です。
リフォームのポイント
浴室の事故で一番多いのが転倒で、次いで冬場の各部屋と浴室の急激な温度差によって起こる脳梗塞や心筋梗塞などです。特に65歳以上の高齢者による事故の割合が半数を占めています。これらの事故を未然に防止し、改善するためには以下のような方法があります。
(1)暖房設備の設置
脱衣室と浴室にそれぞれ暖房設備を設けて、急激な温度差による身体への負担を軽減することができます。
(2)手すりの取り付け
洗い場での立ち座り、浴槽の出入りをスムーズにして転倒を防止するためには手すりの設置が有効です。手すりの形、サイズには多くの種類がありますので、自分の用途にあったものを使いやすい位置に取り付けることが大事です。
(3)出入り口
開き戸は中で人が倒れると引っ掛かり、外からドアが開かなくなる可能性がありますので、できれば引き戸にしたほうが安全です。
(4)転倒防止
脱衣室と浴室との段差が大きいとつまずいて危険ですので、段差は20mm以下に抑えます。段差が大きい場合、滑りにくい加工を施したスノコを設置して段差を解消する方法もあります。
(5)浴槽の高さ
床面と浴槽の縁の高さにも注意が必要です。高すぎるとまたぐ際に危険ですから、40㎝程度が基準となります。