団塊世代の退職とともに心配されているのが、これらの人たちの
「居場所の不足」。あなたが「居場所」を確保するためには、
夫婦間で充分話し合い、お互いの考えのすり合わせをして
おくことが必要になります。
元子供部屋
定年後の自分の居場所を確保するため、間取りの変更を希望する男性が多いことはすでに紹介しました。もし、子供が独立して空いた部屋を自分用に確保出来そうであれば、誰にも気兼ねなくゆったりと時間を過ごす、あるいは趣味を満喫できるように個室に改造することをおすすめします。
リビングは妻の城の中心部分で、妻の専用スペースも同然ですから、あなたがそこで勝手気ままに振舞うと余計な軋轢を生んでしまい、互いに気詰まりとなりかねません。個室に手を加えることによって、誰にも遠慮することなく趣味に没頭したり、自分のやりたい環境を整えることが出来れば、そこにいるだけで精神的にも安定した場所になります。
書斎の三点セット
個室を書斎として使う場合に欠かせないのが、次の三点セットです。
- 自分専用の机
- 座り心地のよい椅子
- 手頃な大きさの書棚
子供が使わなくなった勉強机でもかまいませんが、自分専用であることが大切です。ここにパソコンやプリンターを配置してみるのもいいでしょう。妻も頻繁にパソコンを使う場合は、ひとりの時間を過ごすことができなくなるので、個室には置かないほうが賢明です。
リタイア後には、個室の自分の机が新しい出勤先となります。長時間を過ごすことも多くなるので、優雅な気分で腰掛けられる座り心地のいい椅子は必需品です。椅子にあまり気を使わない人も多いのですが、座り心地は気分に大きく影響します。いい椅子に腰掛けると、不思議と落ち着き満ち足りた気持ちになれます。逆に座り心地の悪い椅子は疲れがひどくなってしまいますから、健康の面からも椅子選びにはこだわりたいものです。
書棚は、本の数が極端に多い人を除けば、120㎝×180㎝程度の大きさで充分です。定年後の人生は、本に限らず、ものにこだわらずできるだけシンプルに過ごすことが大切です。
寝室リフォームのポイント
それぞれの夫婦にあった寝室づくりについて考えてみたいと思います。夫の個室にベッドを入れ、完全な夫婦別寝室にするのも選択肢のひとつです。また、夫婦の寝室を夫のベッドコーナーと妻のベッドコーナーに分けてしまえば、同じ寝室内で相手の気配を感じなら休むことができます。室内での境界線をはっきりさせたいならば、低めの収納棚やサイドボードなどを間仕切に使うことができます。
団塊世代、ポスト団塊世代の女性は、無理して相手に合わせるより、お互い楽に生活できる方法を選びたいと考えていることから、個別同居の夫婦は増加傾向にあります。寝室のリフォームを考える場合、ついでに寝室内か隣り合った場所にトイレをつくることをおすすめします。年を取るに従ってトイレが近くなり、今後夜中にトイレへ行く回数が増えるのは間違いありません。
特に冬の寒い時期にトイレの位置が遠い場合は、つらいものがあります。こうした毎日の動作が楽に出来るようにリフォームすると、家の住み心地は格段によくなります。