• バリアフリー改修の部位別ポイント

知っておくと役立つ基礎知識。ドコからはじめる?リフォーム知っておくと役立つ

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・知っておきたいバリアフリー改修

バリアフリー改修の部位別ポイント

バリアフリー改修の部位別ポイント

1.バリアフリー改修のポイント 手すり

では、これから要介護者のためのバリアフリー改修のポイントについて、場所別に詳しくみていきます。バリアフリー改修を進めるにあたっては、要介護者の利便性を考えるのはもちろんですが、介助する側の動作、使い勝手などの視点が重要です。

歩行が難しくなった時に、一番先に思い浮かぶのが手すりの利用です。実際に住宅改修で最も要望の高いのが手すりの設置です。取り付け場所は、重要度の高い順番に階段、廊下、浴室、トイレ、洗面・脱衣室、玄関になります。

改修のポイント
①浴室、トイレでは利き腕側に、そのほかは片側に取り付けます。手すりの直径は28ミリから40ミリの大きさから選びます。

②手すりには縦型、横型、L字型など様々な形状、長さがありますが、場所と用途に応じて使い分けます。

③取り付ける場所は、当事者の実際の動きをよく観察して位置と高さを決める必要があります。

④手すりにはいろいろな材質のものがありますが、浴室はアルミ製、そのほかの場所は木製とします。

⑤壁の中に手すりを取り付ける下地材がない場合は、強度を保つために補強板を打ち付けて下地をつくります。

⑥浴室の壁がタイルの場合は、ドリルで孔を開けてコンクリート釘止とします。

2.バリアフリー改修のポイント 廊下、玄関・アプローチ

廊下を安全に移動するためには、「段差をなくす」、「通路幅を広く取る」、「開き戸を引き戸に取り替える」などの対策が考えられます。

改修のポイント
①3ミリ以上の床段差は、三角形の断面の面木をあてる。ホームセンターなどで既製品が手に入るが、既製品で対応できない場合は、大工さんに作り付けを依頼しても良い。

②車椅子を使用する場合、通路は有効幅78㎝以上が必要となります。標準の幅が取れない場合は、少し幅の狭い車椅子を使用します。

③同じく車椅子を使用する場合のトイレなどの出入口は、引き戸で有効幅80㎝以上が必要です。

④開き戸を引き戸またはカーテンに変更すれば、出入口の幅を3~5㎝拡げることができます。玄関は靴の履き替え時にバランスをくずす、玄関マットやスリッパにつまずく、上がり框を踏み外すなど事故の多い場所です。

改修のポイント
①上がり框の高さが18㎝以上の場合は、踏み台を設けて段差を小さくします。コンクリートブロック位の幅と高さがあれば代用できますが、ゴムを敷くなどの方法で動かないように固定します。

②立ったまま靴の履き替えをする場合は、縦型の手すりを組み合わせると安全です。また上がり框に座って履き替える場合は、その高さが低いと立つのが難しいので腰掛台を設置すると楽になります。

③多くの住宅では玄関ポーチと庭、庭と公道の間に段差がありますが、既製品のスロープまたはステップで段差を解消することができます。

3. バリアフリー改修のポイント トイレ、浴室

トイレで用を足す場合にはドアの開閉、座るために体の向きを変更、着座またはしゃがむなどいくつもの動作が必要となるので、それぞれの動作が円滑に行えるよう配慮します。

手すりは使い勝手をよく考えて!改修のポイント
①汲み取り式便所は水洗トイレに変更して、洋式便器(シャワートイレ)に変えると使い勝手が良くなります。

②和式便器を腰掛型に変える便座もあるので、洋式便器に変更できない場合は利用すると良い。

③便座の横に、介助者が動けるだけのスペースを確保できるように工夫します。

浴室内での動作は、移動する、座る、立つ、またぐなど多くの動作の組み合わせです。特に、またぐことは、高齢者には難しい動作の一つです。


浴槽の高さもチェック
改修のポイント
①浴室のバリアフリー基準床面積は2.5㎡(1.8m×1.4mまたは1.6m×1.6m)となっています。マンションで使用されているユニットバスには、基準より狭いものがあり面積を拡げることができない場合があります。

②浴槽の縁の高さは、またいで入浴する場合は40㎝くらい。縁に座って片足ずつ入れる場合は45~50㎝が適当です。

③移動ができない場合は、脱衣室と洗い場との段差をなくし、ベッドから浴室までシャワーキャリーで移動し、シャワー浴をすることが出来ます。

4. バリアフリー改修のポイント その他の水まわり

座ったままで使えるキッチン・洗面台
①車椅子の場合は、高さを調整して、足元をオープンにして洗面器のみを設置します。

②蛇口は、水とお湯両方が使えるシングルレバーハンドルとし、使い勝手を良くします。

③普段よく使用する電化製品などはコンセント、スイッチの高さ、取り付け位置に注意し、使いやすさを第一に考えます。


・キッチン
①一体型のシステムキッチンよりも、パーツの組み合わせが自由にできるものが良い。車椅子などの場合は座って調理ができるようにキッチンの天板、調理用具の置き場所の高さを調整します。

②熱源は、火災や火傷などのけがを予防するため、ガステーブルよりIHヒーター(電磁波が心配な方はラジエントヒーター)が良い。