好み
リフォームのきっかけ
- 10年間使っていなかった鉄工所の内部に店舗を建築して営業したい
- かねてよりの念願を実行し、友人や知人が集まれるスペースを作りたい
リフォーム前の状態
事業を止めて10年間が経過した鉄工所の建物です。地域のリサイクル活動の拠点として、段ボールや空き缶などの集積場として利用されていました。
70歳の施主様は弁当や総菜を提供する店舗を作りたい。友人や知人が気軽に寄れる場所にしたいとずっと温めてきた夢を叶えることになりました。
工事の流れ
工事は鉄工所の入り口を仕切っている鉄製の折れ戸の解体から始めます。バーナーで扉を焼き切りながら少しずつ細かくしていきます。
横幅6m、高さ5mの大きな折れ戸ですから、バーナーを使って小さくカットしないと解体も運搬も出来ません
建物内にはシンクや作業台など本格的な厨房設備が必要になります。事前に給排水用の塩ビ管やLPガスの鋳鉄管の埋設や立ち上げをしておきます。
建物の大きさは間口4m、奥行き4.2mとなっています。基礎となるコンクリ―トは20㎝の厚みで仕上げました。
養生期間を置いてコンクリートが充分乾いたら、いよいよ大工さんが造作工事に取り掛かります。
今回の建物の使用目的は店舗ですが、通常の居宅を建築する場合と変わりはありません。作業工程や使用する材料もほとんど同じです。
土台部分には白蟻に強いヒノキ材。桁や柱、間柱など大事な構造材には強度が高く、反りや曲がりが少ない集成材を使っています。
内装の天井や壁の下地は石膏ボード、外壁や屋根は構造用合板を張って下地を造作します。
最近は屋根や外壁材としてガルバリウム鋼板がよく利用されています。耐久性や耐候性がきわめて高くメンテナンスを必要としないのが最大の利点です。
この建物は屋内のため風雨の影響を受けませんが、屋根はガルバ平板を立平葺き、壁は角波板を使いました。
内装工事の仕上げに入りました。天井や壁はクロス貼りとしていますが、シンクやコンロなど水や油が飛散する壁にはホーローパネルを張っています。
床はPタイル仕上げとしています。毎日のように掃除しますので、接着剤は耐水性のタイプを使用しています。
建物が竣工を迎え、施主様の長年の夢がようやく現実のものとなりました。
男性と比較して女性の方が輝いているような時代ですが、年齢を重ねても新たなことに挑戦しようとする姿には、人生を前向きに生きる高齢者の一つのモデルを見るような思いです。
サッシ窓の下にカウンターを取り付けています。お客様が注文した商品を直接手渡せるようにテイクアウト形式の店舗としました。
将来的には後方にあるスペースをお客様がくつろいで飲食出来るようにしたいと次の抱負を語ってくれました。
厨房には本格的な設備を揃えています。窓側にシンクやコンロ台、フライヤーが並び、壁側にはたこ焼き器、焼きそばやお好み焼き用の鉄板もあります。
近くの「道の駅」へ弁当を納入することも決まりました。益々やる気満々のご様子でその意欲が伝わってきました。