築後４０年近い建物ですが、造りがし
っかりしていて、こまめに手を加えてき
たため良い状態が保たれています。

施主様は長い間単身赴任の生活を過ごさ
れてきましたが、まもなくその生活に終
止符が打たれ、自宅に帰ってくるること
になりました。

ご夫婦二人での生活の再開に備え、古く
なったキッチンを入れ替えたいとのご要
望でした。

何事にもこだわりを持つ奥様ですからご
自分がずっと考えてきたリフォームのプ
ランがようやく具体的なかたちになるの
を楽しみにされていました。

　まずは古いキッチンの解体作業から始
めます。作業に入る前に施主様にキッチ
ン内のすべての物を片付けて空っぽの状
態にしてもらいます。

ほとんどの施主様が整理してみて、使っ
ていない食器類や鍋など物の多さにびっ
くりしたと感想を述べられます。

キッチン本体と吊り戸棚を取り外した後
、床から新しい給排水用の配管を立ち上
げます。

今回のプランはフル装備の機能を備えて
います。食洗機だけでなく、浄水器も組
み込まれています。

次は大工さんが下地の造作作業に掛かま
す。この部屋は柱が直接見える真壁構造
ですが、その柱を隠してしまう大壁構造
に変更します。

既設の壁に胴縁を取り付け、その上から
合板を留めて新しい壁の下地を造り、ク
ロスを貼って仕上げます。

内部の造作が完了すると、次はいよいよ
新しいキッチンの組み立て作業に取り掛
かります。

奥様はよく使う調理器具を右側壁面に掛
けていたので、今回コンロ右横の壁にホ
ーローパネルを採用しました。
マグネット式フックを利用すれば以前と
同じやり方を続けることが出来ます。

パネルの貼り付けが終わるとレンジフー
ド、吊り戸棚の順番に下地の壁面に固定
していきます。

さらに床置き用のコンロや食洗機、シン
クの各ユニットを並べて組み立てます。
横幅９０㎝の家電収納ユニットを横一列
に並べると全体で３ｍ６０㎝の大きなシ
ステムキッチンとなります。

奥様が使い勝手に徹底的にこだわったキ
ッチンが完成しました。シンク上の吊り
戸棚には二段式の水切り棚が格納されて
います。

コンロはガス用でバーナーは一般的な３
口ではなく２口タイプです。奥のバ―ナ
ーが無ければ左右の間隔が拡がり使いや
すいとの奥様の弁です。

奥様は高価でも品質の良いものを購入し
、長い間大切に使い続けることをとても
大事にされています。

完成したキッチンを眺めながら、「もう
１０年速くリフォームしておけば良かっ
たね」としみじみと語られていたことが
とても強く印象に残りました。